相続に関連した各種税の税率!所得税、相続税、贈与税、住民税の税率

税務の基礎知識
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税金に関する知識を持っておくことは、相続や贈与、不動産売却においても外せないポイントです。

まずは、どのような税金がどのタイミングでどれだけかかりそうか?特例にはどういったものがあるか?自分の不動産には、特例は適用されそうか?などポイントを絞って確認することから始めてみましょう。

支払い義務のある税金の種類と金額を知るには、自分の不動産の価値を知ることも大切です。

不動産査定を行って、市場での価値が分かれば、自分の支払うべきおおよその税金を把握することができるでしょう。

手始めに、不動産会社への査定依頼からスタートするのもおすすめです。

 

今回は、相続に関連する税金の話をご説明します。

 

 

 

 

相続税の基礎知識

相続税とは、被相続人の財産を相続した相続人が納める税金です。

相続が発生した場合、相続する財産の状況によって、相続人は相続税を支払う必要があります。

相続税の支払期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヵ月以内とされていますが、時間がかかる手続きや協議も多く、10ヵ月は決して長い期間ではありません。

トラブルが起こることなくスムーズに相続手続きを進めるためには、できるだけ早い段階から財産を把握し、手続きや協議に備えることが肝要です。

 

相続税の計算方法

相続税を計算するには、まず課税対象となる財産をすべて把握し、相続税を計算します。

相続税額=「各人の課税価格」x 税率 ー 控除額

税率と控除額については、以下に示す「相続税の速算表」を用いて計算します。

ただし、正しい相続税額を算出するには、色々な要素が絡むので単純には計算できません。

以下の記事にて、相続税の詳しい計算方法について紹介していますので参考にして下さい。

 

相続税の速算表

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 

 

 

贈与税の基礎知識

贈与税とは、個人が無償で財産を贈与する際に課せられる税金のことです。

財産を贈与する人のことを「贈与者」、財産を受け取る人のことを「受贈者」といいます。

贈与税は原則、1月1日~12月31日の間に発生した贈与を対象に受贈者に支払いの義務が発生します。支払い義務の対象になった受贈者は、税務署に申告と納付を行う必要があります。

 

贈与税の計算方法

贈与税は、受贈者対象の税金で、以下で算出されます。

贈与税対象金額 = 1年間に貰った財産の合計額 ー 基礎控除額(110万円)
※1年間とは、1月1日から12月31日までの間で計算します。

贈与税額=贈与税対象金額 x 税率 ー 控除額

※税率と控除額については、以下に示す「贈与税の速算表」を用いて計算します。

尚、贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間で基礎控除額の110万円以内の価額の贈与であれば税金が課されません。
※贈与税の申告の申告も必要ありません。

複数の人からもらっても、1年間でもらった金額全ての合計金額となります。

 

贈与税の速算表

贈与税は、贈与をする人(贈与者)と贈与を受ける人(受贈者)の関係及び受贈者の年齢により税率が異なります。

 

特例贈与

例えば、祖父や祖母、父母などの直系尊属から成人の子(※)への贈与などに使用します。(配偶者の祖父母や配偶者の父母からの贈与等には使用できません)
※贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の者に限ります。(令和4年3月31日以前の贈与については「20歳」となります。)

■特例税率の速算表

基礎控除後の課税価格 200万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 4,500万円以下 4,500万円
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円 415万円 640万円

※出典:国税庁ホームページ

 

一般贈与

特例贈与に該当しない贈与は一般贈与になります。

例えば、兄弟姉妹間の贈与、夫婦間の贈与、親から子への贈与で子が未成年者の場合などに使用します。

■一般税率の速算表

基礎控除後の課税価格 200万円以下 300万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 3,000万円
税 率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額  ー 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円

※出典:国税庁ホームページ

 

 

 

所得税の基礎知識

所得税とは、給料や商売の利益、あるいは土地を売って得た利益などに対して課される税金のことです。

1年間のすべての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に、一定の税率を適用して税額を計算します。

所得税は本来従業員が税務署に支払うものですが、会社では給料から差し引く形で従業員にかわって「源泉徴収」をしています。

所得の大きさに応じた負担を求めたり、家族構成などの状況に応じて配慮できたりするのが所得税の特徴です。

また、消費税や相続税と違って、主に働く世代(現役世代)が負担しているという特徴があります。

 所得税の税収は、直近で21.0兆円(令和5年度予算額)となっており、各種の減税や、分離課税分の落ち込みなどにより、ピーク時(平成3年度)の26.7兆円と比較すると、約6兆円減少しています。

 

所得に関連する税金

所得税とは1年間に得た個人の所得に対して課税される「国税」です。
所得に関わる税金としては、所得税の他に、地方に関わる税金である「住民税」や東日本大震災の復興のための「復興特別所得税」や都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的にした「都市計画税」というものがあります。

これらの所得に関わる税金は、会社員など場合には、勤務先があらかじめ給与から天引きして代わりに納税する「源泉徴収」という制度を利用しています。

このため、自分で所得税を納める必要はありませが、個人事業主は1年間の所得について確定申告を行い、自ら所得税を納める必要があります。

「住民税」や「復興特別所得税」、「都市計画税」などについては、次章以降で簡単に説明します。

 

所得税の種類

個人の所得には、以下の所得の種類があります。

所得の種類 説明
給与所得 会社からもらう給料や、自分で商売をして稼いだお金などにかかる税金です。 こうして手に入れた1年分のお金(収入)から、必要経費などにあたる額を差し引いた残りの金額が、所得税の額を計算するもとになる「所得」になります。

税額 =( 所得 - 控除 )× 税率

毎月の給与やボーナスから源泉徴収される所得税及び復興特別所得税の額は、「給与所得の源泉徴収税額表」により計算します。
また、「年末調整」で、その年の最後の給与の支払を受けるときに、過不足額の精算が行われます。

譲渡所得 所有している土地、建物、株式、貴金属などを売って得た利益のことを、「譲渡所得」といいます。
譲渡所得には所得税や住民税がかかるので、これらを総称して「譲渡所得税」ということもありますが、税金の正式な名称はあくまで「所得税」と「住民税」となります。
譲渡所得 = 譲渡価額-取得費-譲渡費用
税金 = 譲渡所得×税率
譲渡価額とは、譲渡した時の価格(売却価額)です。
取得費とは、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した価額になります。
譲渡費用は、仲介手数料や印紙税、測量費など、売却に要した費用のことを指します。
プラスの譲渡所得のことを「譲渡益」、マイナスの譲渡所得のことを「譲渡損失」と表現します。
マイホームを売却したときは、譲渡益が生じたときに税金が発生し、譲渡損失が生じたときは発生しないというのが基本的なルールです。
譲渡所得にはさまざまな軽減措置があります。
不動産所得 不動産取得税とは不動産を購入したり、住宅を新築や増改築したり、贈与などで取得をした場合にかかる税金です。
たとえ無償で不動産を取得した場合や登記の移転が行われていない場合でも、不動産を取得した人が支払う義務がある税金です。不動産所得税=課税標準額×4%課税標準額とは都道府県の固定資産課税台帳に表示されている価格で不動産の購入価格などとは違うので注意してください。
なお、不動産取得税は都道府県が主体になる地方税で、不動産のある都道府県に納付します。
住居用の不動産を取得した場合にはさまざまな軽減措置があります。
事業所得 個人事業主の所得は、一部の例外を除き、原則として「事業所得」として確定申告をすることになります。
事業所得とは、その名のとおり、事業を営むことによって得られた所得のことです。
個人事業主は会社員や公務員などの給与所得者と異なり、所得税を自ら申告して納める必要があります。
山林所得 山林所得とは、所有している山林を、木を伐採して譲渡、または伐採せず木が立ったままで譲渡して得た所得です。

山林所得の金額 = 総収入金額 - 必要経費 - 山林所得の特別控除額(最高50万円)

なお、以下の内容は山林所得には該当しません。
・保有期間が5年以内の事業的規模ではない山林(立木)の譲渡⇒雑所得に該当します。
・保有期間が5年以内の事業的規模で山林の売買を業とする者の譲渡⇒事業所得に該当します。
・山林を山ごと譲渡した時の「土地部分」の譲渡⇒譲渡所得に該当します。

退職所得 退職所得は、他の所得とは合算せずに切り離して税額を計算します。
退職の際(退職手当の支払いを受ける時まで)に「退職所得の受給に関する申告書」を退職手当の支払者に提出した場合には、退職手当額に応じた「課税退職所得金額」に対して課税され、退職手当額から源泉徴収されます。
なお、「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合は、退職手当額に対して20.42%の税率を乗じた額が源泉徴収されます。
利子所得 利子所得とは、預貯金や公社債の利子、合同運用信託や公社債投資信託等の収益の分配による所得です。

収入金額 = 利子所得

利子所得は、所得税が源泉徴収されている預貯金などの場合には確定申告は不要ですが、海外の金融機関の預金利子や同族会社が発行した社債の利子で、その同族会社の株主等が支払を受けるものについては、確定申告が必要です。

配当所得 税法上、配当所得には株式の配当金のほか、公社債投資信託以外の投資信託の分配金や特定受益証券発行信託の分配金などが含まれます。以下、これらを総称して「配当金」と呼びます。
申告不要制度が最も一般的で、配当金が支払われるときに所得税(15.315%)と住民税(5%)が源泉徴収されます。この場合、確定申告をせずに源泉徴収によって納税を終えることができます。
配当金を受け取った人が大口株主(持株比率が3%以上の株主)である場合や、非上場株式の配当金を受け取った場合は総合課税となり、原則として確定申告が必要となります。
また、NISA(少額投資非課税制度)の非課税口座で取引した株式の配当金や投資信託の分配金は非課税です。したがって、税金が源泉徴収されることはなく、確定申告の必要もありません。
一時所得 一時所得とは、懸賞金や拾ったお金の謝礼金などの臨時収入による所得です。
自分が保険料を支払った保険の満期金なども、この一時所得に該当します。
一時所得は、ほかの給与所得や事業所得などとは損益通算できず、計算する時には特別控除があるなど、ほかの所得と異なる点も多いので注意が必要です。
一時所得は、懸賞金等の賞金や競馬や競輪の払戻金であり、所得税が課されますが、50万円の特別控除と2分の1課税のメリットがあります。
また、保険の契約者と受取人が異なる場合には、所得税ではなく贈与税や相続税などの対象となることがあります。
雑所得 雑所得とは、「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも当たらない所得」をいいます。

 

 

 

所得税の計算方法

所得税は、1年分のお金(収入)から、必要経費などにあたる額を差し引いた残りの金額が、所得税の額を計算するもとになる「所得」になります。

所得 = 収入 - 経費

 税金の額を計算する際には、家族構成など本人を取り巻く状況などに応じて、この所得から、更に一定の額を差し引きます(「控除」といいます)。

また、控除後の所得が高い部分ほど、適用される税率は高くなる仕組みになっています(「累進税率」といいます)。

税額 =( 所得 - 控除 )× 税率 

 このように、所得税は、所得の大きさに応じた負担を求めることができ、また、家族構成などの状況に応じたきめ細かな配慮を行うことができます。

以上の内容をまとめると、所得税額は以下のように計算されます。

所得税額= 課税される所得金額(収入 - 必要経費- 各種所得控除)× 所得税率 - 控除額

課税される所得金額に所得税率を乗じ、所得税率ごとに定められた一定の控除額を差し引いた金額が所得税額となります。

なお、源泉徴収税等により、実際の所得税額より多く支払った場合には、「還付税額」が還付されます。

確定申告時の納付額(還付税額) = 所得税額-源泉徴収税額等

 

平成27年分以後の税率

所得税計算の税率と控除額は以下の表の値を使用します。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え、330万円以下 10% 9万7,500円
330万円を超え、695万円以下 20% 42万7,500円
695万円を超え、900万円以下 23% 63万6,000円
900万円を超え、1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円を超え、4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

 

 

 

 

住民税の基礎知識

住民税とは地方税の一種で、都道府県が課税する道府県民税(以下では県民税という)と、市区町村が課税する市町村民税(以下では市民税という)の総称です。

住民税はその市区町村(都道府県)に住む人たちが、地域社会で使用される費用、公共サービス費用を分担するものです。

住民税には「個人住民税」と「法人住民税」という種類がありますが、一般的には余り気にする必要はなく、サラリーマンの方であればお給料から天引きされます。

住民税は、所得に対して支払う税金です。不動産所得や不動産譲渡所得等に対して課税されます。

 

住民税の計算方法

住民税は、以下で算出されます。

市民税・県民税の税額計算方法

市民税・県民税の税額(年税額)= 均等割額+所得割額

所得割額= 課税所得金額 × 所得割の税率 – 調整控除額 – 各種税額控除額 

課税所得金額 = 前年中の所得金額 – 所得控除額
※1,000円未満切り捨て
※前年中の所得金額には不動産所得等も含まれます。

所得割税率は以下の市民税と県民税の合計税率 10%となります。

賦課期日 課税期間 市民税 県民税
住民税 1月1日 前年の1月~12月 6% 4%

 

住民税が課税される方(納税義務者)

住民税は以下の様な方に課税されます。

市民税・県民税(個人住民税)
均等割 均等の額を広く負担 均等割は、住んでいないが市内に事務所や事業所、家屋敷等をお持ちの方に対して課税
所得割 所得金額に応じて負担 市にお住まいで、前年の1月から12月までの間に一定の所得があった方に対して課税されます。税率は10%(内訳:市民税6%、県民税4%)です。

 

住民税の税率と均等割

所得割(標準税率) 均等割(年額)
区市町村民税 6% 3,000円(3,500円)
道府県民税・都民税 4% 1,000円(1,500円)
合計 10% 4,000円(5,000円)
※均等割は年額4,000円ですが、2014年から2023年分については防災施策の財源に充てるため、区市町村民税500円、道府県民税・都民税500円で合わせて1,000円がプラス(年額5,000円)されています。

復興特別所得税の基礎知識

所得税には、2037年(令和19年)までは「復興特別所得税」が加算されます。

復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興財源に充てるため、2013年1月1日~2037年12月31日まで、通常の所得税に上乗せして徴収される特別税です。

復興特別所得税=所得税 x 税率(2.1%)

※税率の2.1%は固定です。

 

 

 

都市計画税の基礎知識

都市計画税とは、都市計画事業や土地区画事業の費用に充てることを目的にした市町村税(東京23区の場合は都税)で、市街化区域内に土地や家屋を持っている人に毎年課される地方税です。

都市計画税は土地、家屋の所有者に課せられ、税額は課税標準(土地または家屋の固定資産税評価額)に税率を乗じた金額です。

なお、固定資産税の詳細については、以下の記事で説明しています。

都市計画税の税率は自治体によって異なる場合がありますが、0.3%の制限税率を超えることはありません。

都市計画税=固定資産税x税率

 

「市街化区域」とは

市街化区域とは、都市計画法が指定する「都市計画区域」の1つで、同法では「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」と定義されています。

つまり、すでに住宅や商業施設などが立ち並ぶ市街地になっている区域か、もしくは自治体が10年以内に優先的に市街地にしていこうと計画し、道路や下水道、公園といった都市機能や施設の整備を積極的に進めている区域です。

市街化区域は年々増え続けており、国土交通省の「都市計画現況調査 令和2年調査結果」によると、全国の市街化区域の面積は145万1864ヘクタールとなっています。

 

市街化区域は、自治体窓口、不動産業者に確認

市街化区域では無秩序な開発などが行われないようにするため、13種類の用途地域が設けられていて、用途地域ごとに建てられる建物の用途や高さ、床面積などに制限が設けられています。

不動産を購入する際には、購入候補に選んだ土地がどの用途地域に含まれているかを、必ず自治体の窓口や不動産業者などに確認しておく必要があります。

譲渡所得税の基礎知識

不動産を売却すると、売却益が発生します。

この売却益に掛かる所得税が譲渡所得税です。

一般社団法人不動産流通経営協会の2014年度調査では、不動産売却をして売却損が発生した世帯は85.2%も存在します。この内、1,000万円以上の高額な売却損が発生した世帯は41.8%ということで、売却損の平均額は、1,262万6,000円です。

なんと、不動産売却をした人の8割以上の人が1千万円以上を損しているというのです。

この税金は、競争原理を活かし、複数社からの合い見積もりを取ることによって、できる限り買い取り額の譲歩を引き出すことができれば、売却損も最小限に抑えることが可能です。

不動産の売却は高額な取引となるので、そういった不動産業者による力量の差は、売却金額を大きく左右します。

日頃から、税制度に対して関心をもつとともに、不動産売却のスキルが高く、制度面に明るい不動産業者を見つけることも重要です。

 

 

譲渡所得の求め方

譲渡所得税税=課税譲渡所得(売却益) x 税率

譲渡所得には、短期譲渡所得と長期譲渡所得があります。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の違いは、不動産を所有していた期間になります。

譲渡所得税は、下図の通りです。

譲渡所得税及び住民税の計算体系イメージ

⑤譲渡所得(売却益)に対して乗じる税率は以下の通り

譲渡所得税及び住民税は、不動産を売却して売却益(儲け)がでた時にかかる税金です。

 

図の項目 説明 備考
①収入金額 売買代金+精算金(未経過固定資産税、都市計画税)
②取得費 相続した土地の当時の取得費(購入代金+購入手数料)+登記費用+登録免許税等
相続した建物の当時の取得費(減価償却費相当額を控除)+登記費用+登録免許税等
取得費が不明の場合は、①収入金額の5%を取得費とする
相続した実家を3年10ヶ月以内に売却する場合は、一定の方法により計算した金額を取得費に加算可能(相続財産譲渡時の取得費加算特例)
③譲渡費用 不動産を売却するために直接要した費用(仲介手数料や測量費等)
※修理費や維持管理費は譲渡費用には該当しない
④特別控除 譲渡所得税を軽減する為の後述する様々な特例が存在します。
⑤譲渡所得(売却益) 実際に売却して儲けがでた金額
  • 売却するために支払った仲介手数料
  • 売主が負担した印紙税
  • 土地を売るために、建物を取り壊したときの取り壊し費用.

なおこれまで支払ってきた修繕費や固定資産税、管理費などは引けないので注意してください!

 

 

④特別控除

譲渡所得の控除には様々な特例が存在します。
取得費を下げることができる、「取得費加算特例」や、相続時の「空き家」を取得した際に3,000万円まで控除可能な「空き家特例」、それ以外にも様々な特例があります。
土地売却時の税金に使える特例控除
状況1 状況2 特例 控除額
住んでた家・土地を売った 家を売却して利益が出た 3,000万円特別控除 3,000万円
新居を買い替えて利益が出た 3,000万円特別控除
居住用財産の買替え特例
3,000万円
家を売却して損失がでた 特定のマイホーム譲渡時の損益通算・繰越控除
新居を買い替えた損失がでた マイホーム譲渡時の損益通算・繰越控除
相続空き家の土地を売った 続空き家の3,000万円特別控除 3,000万円
使ってない土地を売った 低未利用地等を売却した場合の100万円特別控除 100万円
平成21・22年に取得した土地を売った
土地を譲渡した
平成21・22年に取得した土地を売った
土地を譲渡した平成21年・22年に取得した土地を売却した場合の1000万円特別控除
1,000万円
収用で土地を売った 公共事業 公共事業などのために売却した場合の5000万円特別控除 5,000万円
区画整理 区画整理事業などのために売却した場合の2000万円特別控除  2,000万円
住宅地造成事業 特定住宅地造成事業などのために売却した場合の1500万円特別控除 1,500万円
農地保有合理化 農地保有の合理化などのために売却した場合の800万円特別控除 800万円
なお、、特例控除額は、上限が設けられています。年間で控除の合計が5,000万円までとなります。譲渡所得の特例についての詳細は以下の記事で説明していますので、ご覧いただけたらと思います。
不動産の譲渡特例!売却、買替した時の譲渡所得に対する譲渡特例!
現在、不動産をお持ちで売りたいと考えている方! 不動産の売却は、一般的には“有償”で譲ることを「譲渡」と言います。 不動産を譲渡すると、譲渡所得が入ります。 譲渡所得には、譲渡所得税が課されます。 この譲渡所得税を軽減したり、納税猶予したり...

 

 

まとめ

今回は相続に関連した税の概要をご説明しました。

相続が発生したときは、相続税以外にも各種税が発生します。

相続税、贈与税、所得税、住民税、・・・・

例えば、相続対策で不動産を購入すると、不動産取得税や住民税等が掛かります。

こんな複雑な税制を少しでも解りやすく整理してみました。

なお、税に対する専門家は税理士になります。税のことで困ったら税理士に相談しましょう。

なお、以下の記事では、税理士の紹介をしていますので、是非ともご参照下さい。

 

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