原野商法で購入した土地(農地・山林・牧場・原野)の相続対処の方法

不動産の評価
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故人が亡くなり、相続財産の中に、原野商法で購入した土地が含まれていたら、あなたはどうしますか?

原野商法とは、農地・山林・牧場・原野等の利用価値の無い土地を安値で売り付ける手法です。

原野商法により購入した土地は、基本的に市場価格が0円から50万円位ですが、実際に購入する方は居らず、将来に渡り、負の財産として抱えてしまうことになります。

将来に遺恨を残さないためにも、相続時に土地の処分を考えましょう。

 

この記事では、原野商法により購入した土地を相続してしまった場合の対処方法について紹介します。

 

 

 

 

80歳前後の方であれば、1960年~1980年代に以下の様な売り文句で原野や山林などを購入したことはありませんか?

  • この土地の近くにゴルフ場が建設される予定
  • 新幹線が通るから将来値上がりは確実。
  • リゾート建設予定地だから今買っておけば儲かる。
  • 別荘地にいかがですか
  • このあたりは空港も近くにあり確実に値上がりする投資物件ですよ

しかし、現在どうでしょう、ほとんど価値がない土地になってはいないでしょうか?

将来のためにと思って買ったのに売れないということは無いでしょうか?

原野商法とは

原野商法では、一坪あたり3,000円ほどで、だいたい家が一軒建つくらいの広さである150㎡から210㎡位の広さの土地を、将来の値上がりを餌に、総額100万円~200万円くらいで販売されました。

価格がこんなにも安い理由は、家が建てられないからです。

自宅や別荘住宅を建てるには、原則として、4メートル以上の幅の道路に土地が2メートル以上接している必要があるのですが、原野商法で取得した原野や山林は、道路に土地が接していないのです。

土地を購入する方のほとんどは家を建てるために購入するのですが、原野商法で購入した原野や山林には家を建てることができないので価格が安く設定されているのです。

購入する方は、対象の土地が遠方である場合が多く、現地を見ないで購入していた様です。

当時、日本はバブルの真っ最中であったため、皆比較的裕福であったため、将来の投資として購入した方が多い様です。

そして、現在の価格(価値、評価額)を確認すると、市場価格では0円から50万円位、固定資産税評価額としては500円から1,000円位という有様です。

近年、原野商法により土地を購入した80歳前後の方がそろそろ寿命で亡くなり、相続時に問題が発生件数が増加しています。

親から購入した土地の話を聞かされた方もいるかと思いますが、いさ相続となり、評価を実施すると、二束三文の土地であったり、最悪の場合には、お金を払って専門業者に引き取って貰う必要があります。

お金を払って土地を引き取ってもらうなんてそんな馬鹿な!」と思われた方も居るかと思いますが、これは事実です。

引き取って貰わないと、将来何らかの要因で土地が値上がりした場合は固定資産税が発生することになり、いろいろな方が、法定相続人であるからという理由で役所から納税を要求されることとなります。

また、以下の様なデメリットも発生してしまうのです。

原野や山林を相続してしまうデメリット

原野や山林のような土地を相続してしまうデメリットとしては以下のものが考えられます。

①台風等の災害により隣接地に被害を与える可能性

最近は台風も大型化しており、土砂災害が起きるリスクも高まっています。

もし相続した原野や山林が隣接地に土砂や流木を流失させて被害を及ぼせば、原野や山林の所有者が損害を補償しなければいけなくなります。

②処分が困難なまま自身も所有し続けなければいけない問題

親世代が処分ができなかったということは、自分自身でも処分ができない可能性が高いということです。

そうなれば、使い道のない土地をそのまま所有し続けていく必要が発生し、その負の遺産を子供にも引き継いでしまうということです。

③原野商法の二次被害にあう可能性

最近、原野商法を相続した人をターゲットとした「原野商法の二次被害」というものが発生しています。

具体的には、「その土地を○○万円で売ってください。」と知らない業者が急に連絡を取ってきて、その口車に乗ってしまったた中で、別名目(測量費用など)でお金を騙し取られてしまうものです。

他にも、山林を購入したい人がいると説明して調査料及び整地費用を請求する方法や、覚えのない管理費を請求する方法も存在しています。

急な連絡がきた場合には、必ず相手がどんな業者かきちんと調べたうえで、取引を行うようにしてください。

 

 

 

原野商法で入手した土地の処分方法

原野商法で買ってしまった原野や山林は、処分に困り、親族に安く売るということがよく行われてきました。

しかしながら、これは問題の先送りに過ぎず、最後に所有した方が大損をします。

原野や山林を購入した数年後にバブル経済が崩壊し、売ろうとしても買ってくれる方はおらず、親族に安く譲る方が殆どで、所有している原野や山林を売却、寄付などできずそのままになっているという状況です。

対策は、適正な価格や土地の状態を知ること

最初にやるべきことは、原野商法で買ってしまった土地の適正な価格を知ることです。

  • その土地の現在の価格は幾らなのか?
  • なぜ、そのその価格になったのか?
  • 将来的に価格を上げるための有効な方法はないのか?

例えば、以下の様なことに使用できないかを検討することです。

  • キャンプ場やサバゲーとして利用
  • 別荘地として利用
  • キノコの栽培目的で利用
  • 植木屋が植木を育てるために利用
  • 林業として利用
  • 猟師が狩猟目的で利用
  • 自然保護活動をしている団体が自然を再生すために利用
  • 太陽光発電設備の設置のために利用

個人で利用できなくても、土地の近くの市町村役場や不動産業者に相談してみることで、、適切な出口が見つかるかもしれません。

 

原野商法で購入した土地を処分する方法

 原野商法に使われる土地は活用の難しいものが多く不動産会社も積極的に取り組んでもらえないケースが多いです。

寄付についても売却と同様に活用が難しい場合は、市区町村などの自治体に相談をしても寄付を受け付けてもらえないケースが多くあります。

原野商法で買った山林や原野の売却も寄付もできない場合には、以下の業者を使用してみるのが良いでしょう。見積もりは無料です。

※地目は山林以外でも対応可能で、原野、農地、雑種地、別荘地なども引き取っています。

国庫帰属制度の利用

価格が付かない土地は、「国庫帰属制度」により、負担金を支払って、国に引き取ってもらう方法もあります。

相続土地国庫帰属制度は、相続又は遺贈により土地を取得した人が申請可能です。

そのため、相続等以外の原因(売買等)により自ら土地を取得した方や、法人はこの制度を利用することはできませんので、基本的には原野商法で自ら山林や原野を取得した場合は、申請することはできません。

なお、相続等により共有持分を取得した共有者は、共有者の全員が共同して申請をすることによって、この制度を活用することができます。

つまり、土地の共有持分を売買など、相続等以外の原因により取得した共有者も、相続等により共有持分を取得した共有者がいるときは、共有者の全員が共同して申請をすることによって、この制度を活用することができますので、原野商法で山林や原野を取得した方も共有者に相続が発生した場合には、共有者の相続人と共同して申請することは可能です。

原野商法の土地を相続した場合の名義変更はした方が良い?

この場合には、山林を相続(相続を原因とする所有権移転)することをお勧めします。

原野商法で取得した土地を相続する際には、登記申請する際の登録免許税(1000円)や専門家(司法書士、行政書士等)に支払う報酬などがかかります。

しかしながら、そのままにしておくと(リスク)が大きいので、名義変更しておいた方がよいです

原野商法で取得した土地は経済的利益がなく(市場で売却できない)、だれも相続したがらないので、そのまま放置されがちです。

しかし、将来何らかの要因で土地が値上がりした場合は固定資産税が発生することになり、いろいろな方が、法定相続人であるからという理由で役所から納税を要求されることとなります。

相続が二重、三重に発生していた場合、もはや遺産分割協議をすることはできなくなり、納税義務を回避するため誰かに名義を変更しようとしても時機が悪く、もう手が付けられなくなります。

そして、固定資産税の納税を怠ると、法定相続人の皆さま方が給料差し押さえの処分をされる可能性があります。

所有者の名義を亡くなった方のままにした場合でも、亡くなった方の法定相続人や数次相続人に納税義務が生じます。

そのため、今は固定資産税評価額が免税点以下で、固定資産税が生じていなくても、あとで固定資産税が発生する可能性があるため、相続が発生したら、持ち家の相続登記だけでなく、原野商法で取得した土地も、しっかり名義変更する方がよいでしょう。

まとめ

原野商法で購入した土地は、後々の子孫に遺恨を残すことになるため、早めに処分することをおすすめします。

処分するためには、現地に訪問して土地の状態を確認して、廻りの役所や不動産やに相談してみることをおすすめします。

又、相続した場合には、登記の名義変更も忘れずに行いましょう。

どうしても処分できない場合には、以下の税理士を利用することも検討しましょう。

 

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