相続税一次相続のみで考えていませんか?相続は二次相続まで計算!

相続税の求め方
この記事は約7分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

あなたが死んだ後子供に財産を残したいと考えた時、一次相続のみで考えていませんか?

相続は、親族関係をしっかり把握して二次相続まで考えないと相続税で大きな損をしてしまいます。

相続税を削減する方法は幾つか存在しますが、最も簡単に効果がある節税は2次相続まで考えた節税となります。

 

本記事では、そんな二次相続税の計算方法と節税効果を説明していますので是非ともお読みくださいね。

 

 

 

二次相続税とは何?なんで節税されるの?

あなたが死んだ後、配偶者と子供が残ります。

あなたは残された家族にできるだけ財産が残る様に考えると思いますが、もし仮に、あなたが死んだ後直ぐに配偶者が死んだ場合、あなたの財産にどれだけの税金が掛かるか計算したことがありますか?

二次相続とは、あなたの死亡した後、更に配偶者が死亡した場合に子供に残る財産のことをいいます。

配偶者の場合には、相続税の配偶者特別控除が適用されるため、遺産を受け取るときの相続税が低く抑えられます。

しかしながら、子供の場合には、配偶者特別控除は適用されないため、相続税が高くなります。

相続税は死亡した方の遺族が受け取る財産に掛かる税金なので、両親共に死んでしまうと子供には財産が相続されますが、同時に相続税の金額も大変大きなものとなります。

以下では、幾つかの家族構成の例を上げてその相続税の金額の違いを見てみましょう。

 

親子4人の家族で父親が死亡(資産総額1億円)法定相続割合

あなたと、配偶者、子供2人の4人家族で、あなたに1億円の財産があったと仮定します。

そうすると、相続財産は1億円なのですが、これを法定相続人である配偶者と子供の3人で分けることになります。

法定相続割合で考えると、配偶者が1/2、子供が1/2で相続財産を分けることになります。実際の金額としては、配偶者が5,000万円、子供が2,500万円づつとなります。

この金額に相続税が掛かってくる訳ですが、相続税を計算する場合には、相続財産の1億円から基礎控除額を引いた金額で相続税を計算することが可能です。

一次相続税の計算

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人数(3人)

今回のケースでは、基礎控除額は4,800万円となるため、5,200万円の相続金に対して税金が掛かることになります。この5,200万円が課税遺産総額となります。

5,200万円を法定相続割合に従って配偶者と子供に振り分けると、配偶者が2.600万円、子供たちがそれぞれ1,300万円ずつになります。

相続税の税額はこの金額をベースに下の相続税速算表を使用して計算します。

配偶者は、2.600万円 X 15% ー 50万円=340万円

各子供は、1,300万円 X15% ー 50万円= 145万円

相続税の総額は、340万円+145万円×2人=630万円

実際には、この税総額を相続割合で分配するので、配偶者が315万円、子供2人が157.5万円づつとなります。

これに、配偶者控除が実施されるので納税額は、配偶者0円、子供2人が157.5万円づつとなります。

相続税速算表
法定相続分に応ずる
取得額
税率 控除額
1000万円以下 10% 0円
3000万円以下 15% 50万円
5000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1700万円
3億円以下 45% 2700万円
6億円以下 50% 4200万円
6億円超 55% 7200万円

二次相続

二次相続は以下の様に計算します。

配偶者が受領した相続金は5,000万円なので、この金額を今度は子供2人で分けることになります。

仮に子供Aと子供Bが各々2,500万円の相続ということです。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人数(2人)=4,200万円

課税遺産総額=5,000万円 ー 4,200万円 = 800万円

相続税の総額=((800万円/2人) × 10% ) X 2人=80万円

各子供の納税額が40万円づつになります。

増税額合計

それでは、納税額を各人別に見てみましょう。

一次相続税 二次相続税 納税額合計
配偶者 0円 0円
子供A 157.5万円 40万円 197.5万円
子供B 157.5万円 40万円 197.5万円
合計 315万円 80万円 395万円

なんだ大したことないじゃないか。

と思われたと思います。しかしながら、次の例を見てください。

 

親子4人の家族で父親が死亡(資産総額10億円)法定相続割合

今回は計算式を省略して結果のみを以下に示します。

一次相続税 二次相続税 納税額合計
配偶者 0円 0円
子供A 8,905万円 7,605万円 16,510万円
子供B 8,905万円 7,605万円 16,510万円
合計 17,810万円 15,210万円 33,020万円

どうですか、税金が倍位に膨らみましたよね。

次の例を見るともっと明確になります。

 

親子4人の家族で父親が死亡(資産総額100億円)法定相続割合

以下に計算結果のみを記載します。

一次相続税 二次相続税 納税額合計
配偶者 0円 0円
子供A 131,440万円 129,145万円 260,585万円
子供B 131,440万円 129,145万円 260,585万円
合計 262,880万円 258,290万円 521,170万円

次に、遺産相続の配分比率を配偶者が100%取得する場合を見てみましょう。

 

親子4人の家族で父親が死亡(資産総額100億円)配偶者が100%取得

父親の死亡で配偶者が100%取得した後、配偶者の死亡で子供2人が山分けして遺産を取得する場合を以下に計算しました。

一次相続税 二次相続税 納税額合計
配偶者 262,880万円 262,880万円
子供A 0万円 194,353万円 194,353万円
子供B 0万円 194,353万円 194,353万円
合計 262,880万円 388,706万円 651,586万円

いかがですか?100万円位増えましたよね。

今度は、資産総額1億円で見てみます。

 

親子4人の家族で父親が死亡(資産総額1億円)配偶者が100%取得

父親の死亡で配偶者が100%取得した後、配偶者の死亡で子供2人が山分けして遺産を取得する場合を以下に計算しました。

一次相続税 二次相続税 納税額合計
配偶者 0万円 0万円
子供A 0万円 385万円 385万円
子供B 0万円 385万円 385万円
合計 0万円 770万円 770万円

いかがですか?法定配分の場合は395万円でしたから、倍位の金額に増えてしまいましたね。

 

 

 

まとめ

この様に、一次だけで相続税を計算すると、二次相続時に思わぬ相続税を請求されてしまうことがあります。

特に、父親と母親の年が近い場合には、寿命も同じ様な年となることが考えられる為、二次相続まで踏まえて相続をすることにより、子供に余計な負担を追わせることが無くなります。

相続税を計算する時には、是非とも、二次相続税まで考えて相続を実施くださいね。

以下の記事では、相続に詳しい税理士を紹介しています。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました